トレード日誌は、結果ではなく判断の記録です。損益はすでに口座の取引報告書に載っていて、そこからはほとんど何もわかりません。取引報告書が教えてくれないのは、なぜエントリーしたのか、何をするつもりだったのか、そして実際にそのとおりにしたのかどうかです。
必要なものは、すべて8つの列に収まります。始めるにはノート1冊で十分です。ソフトウェアは要りません。そうではないと言う記事のほとんどは、ソフトウェアを売っている会社が書いたものです。
記憶では決して見えなかった、日誌が教えてくれたこと
私はずっと、自分の間違いは覚えていると思っていました。日誌をつけてみて、そうではないとわかりました。
ようやくデータとじっくり向き合ったとき、損失は金曜日の夜に集中していました。疲れていて、気づかないうちに自分のルールを破っていた時間帯です。いくら一生懸命考えても、これは見つけられなかったでしょう。記憶は曜日ごとに並べ替えてはくれませんし、考えたくないトレードはいつの間にか抜け落ちてしまいます。
同じ記録は、逆の方向でも役に立つことを見せてくれました。私が使っていたSchaff Trend CycleとMACDの組み合わせは、一部のセッションでは他のセッションよりはるかにうまく機能していたのです。これは感覚ではわかりません。数えることでしかわからないのです。
今では、日誌なしでトレードを始めることはありません。日誌は、私が持っている中で最も正直な鏡です。
そこから生まれた解決策は、新しいインジケーターではありませんでした。金曜日の夜にトレードしないことでした。そういう答えを渡してくれるのは、記録だけです。
役に立つ8つの列
これより多いと、2週目には記入しなくなります。これより少ないと、疑問に答えられません。
| 列 | 何を書くか | その列が必要な理由 |
|---|---|---|
| 日時 | エントリーした日時 | 感覚ではわからない曜日や時間帯のパターンが見える |
| 銘柄 | トレードしたもの | 自分のエッジ(優位性)が実際にどこにあるかがわかる |
| エントリー理由 | 1文で、クリックする前に書く | あいまいな文は危険信号。セットアップがなかったということ |
| 予定していたエグジット | 目標と、間違いだと証明される水準 | 希望を、検証できるものに変える |
| 実際のエグジット | 実際に決済した場所 | この行と上の行の差が、あなたの規律 |
| リスク % | リスクにさらした口座の割合 | 損失のあとにサイズがじわじわ大きくなるのを捉える |
| 計画どおり(はい/いいえ) | 「はい」か「いいえ」だけ | このページで最も役に立つ1列 |
| 気分 | 2〜3語 | 退屈、焦り、確信、苛立ち。パターンはすぐに現れる |
リストに何が入っていないかに注目してください。利益の列はありません。利益は、そこから学ぼうとしているものではありません。それに、利益の列があると日誌はいつの間にか得点表になり、調子の悪い週には見るのを避けるようになってしまいます。
記入した行の例
日誌の説明は、同意するのは簡単でも、真似するのは難しいものです。ここに、実際にありがちな2種類の行を並べてみます。同じトレーダー、同じ週のものです。
| 列 | 意味のある行 | 何も教えてくれない行 |
|---|---|---|
| エントリー理由 | 「水準が2回持ちこたえた後の20EMAへの押し目、水準を取り戻したところでエントリー」 | 「良さそうだった」 |
| 予定していたエグジット | 「目標は直近高値、1.0820を下回ったら誤り」 | 「様子を見る」 |
| 実際のエグジット | 「目標到達」 | 「不安になってきたので決済」 |
| リスク % | 1% | 「普通のサイズ」 |
| 計画どおり(はい/いいえ) | はい | いいえ |
| 気分 | 落ち着いている、少し退屈 | 確信している、急いでいる |
右側の列は冗談ではありません。1週目の日誌のほとんどはこんな感じです。そこには検証できるものが何もありません。「良さそうだった」を1か月後に検証することはできませんし、「普通のサイズ」を数えることもできません。そんな行を1か月分集めても、並べ替えるものが何もないのです。
どのセルにも使えるテストは簡単です。他の人が読み返して、あなたが間違っていたと言えるかどうか。「水準が2回持ちこたえた後の20EMAへの押し目」は検証できます。「良さそうだった」はできません。
1トレードにつき2〜3分。かかるコストはそれだけです。そして、書きにくいトレードはたいてい取る価値のないトレードだと気づくと、「エントリー理由」の列はもっと早く書けるようになります。
テンプレートをどうぞ
同じ8つの列を、開いてすぐに使えるスプレッドシートにしたものを用意しました。無料で、何も求めません。
無料のトレード日誌テンプレート
以下の8つの列だけが入った、それ以外には何もないスプレッドシートファイルです。メールアドレスも、登録も、アカウントも不要です。Excel、Numbers、Google Sheets、LibreOfficeで開けます。
ファイルはブラウザの中で作成されます。どこにも送信されず、何も記録されません。
紙のほうがいいなら、紙を使ってください。媒体が問題だったことは一度もありません。
誰もが省いてしまう列
8つの列のうち、最も大きな変化をもたらすのは、最も地味な列です。自分の計画に従ったかどうか、つまり「計画どおり(はい/いいえ)」です。
この列は、内側からはまったく同じに見える、まったく異なる2つの問題を切り分けてくれます。
- 計画に従って負けた。それなら検証すべきは戦略です。実行には問題がありませんでした。
- 計画に従わずに負けた。それなら戦略は一度も試されていないので、戦略を変えても何もわかりません。
- 計画に従わずに勝った。これが危険な行です。どんな損失よりも強く、間違った教訓を教え込みます。そしてこの列がなければ、それが起きたことにすら気づきません。
自分の戦略が壊れていると思っているトレーダーの多くは、実はその戦略を一度もきちんと実行したことがありません。「計画どおり(はい/いいえ)」の列があれば、それが1年ではなく、午後のうちにわかります。
見直し方
日誌を書くのは仕事の半分です。多くの人が飛ばしてしまうもう半分が読み返すことで、それは思っているほど時間がかかりません。
| いつ | 所要時間 | 何を探すか |
|---|---|---|
| その日の最後のトレードのあと | 5分 | 気分を覚えているうちに、空欄を埋める |
| 週に1回 | 20分 | 「いいえ」の行を数える。サイズが動いたところを見る |
| 月に1回 | 1時間 | 曜日、時間帯、銘柄、セットアップ別に並べ替える。読むのではなく数える |
私が見つけたような発見は、月1回の見直しから生まれます。並べ替えられるだけの行数がそろって初めて機能するもので、それはたいてい30〜50トレードほどです。人によっては数週間、人によっては数か月かかります。
20行でわかること
1年分のデータは必要ありません。正直な20行があれば、ほとんどのことが見えてきます。
| 気づくこと | たいていの意味 |
|---|---|
| 「リスク %」の列がばらついている | サイズがルールではなく感覚で決まっている |
| 負けた行の直後にリスクが跳ね上がる | そのとき何と呼んでいたにせよ、リベンジトレード |
| いくつかの行で「エントリー理由」があいまい | それはセットアップではなかった。退屈か、欲求だった |
| 「実際のエグジット」が「予定していたエグジット」と何度もずれる | トレードの途中で計画が放棄されている |
| 損失が特定の曜日や時間帯に集中している | 疲れているか、自分の戦略に合わないセッション |
| 思っていたより行数が多い | オーバートレード。ほぼ全員が半分くらいに少なく数えている |
20トレードのうち2つ以上当てはまれば、それはたまたま悪い週だったのではなく、パターンです。最初の2つについては、リベンジトレードをやめる方法とトレードのリスク管理で詳しく説明しています。
ソフトウェアは本当に必要か?
この疑問で上位に表示される記事は、どれも日誌アプリを売っている会社が出しているものなので、率直な答えはめったにありません。ここに1つ書いておきます。
スプレッドシートで十分なのは、1日のトレードがおよそ10回未満で、8つの項目を入力する気があり、自分の行動を理解したいと考えている場合です。この記事を読んでいる人のほとんどはこれに当てはまりますし、誰もがここから始めるべきです。
ソフトウェアが値段に見合い始めるのは、入力そのものがやめてしまう理由になったときです。スキャルピングをしていたり、1セッションに30回トレードしたりするなら、手入力は続きません。証券会社から取引をインポートできるアプリには、お金を払う価値があります。スクリーンショットを手で保存せずに、すべての行にチャートを添付したい場合も同じです。
ソフトウェアがしてくれないのは、あなたを正直にすることです。「計画どおり(はい/いいえ)」の列を記入するのは今もあなた自身で、大事なのは今もその列です。
よくある質問
トレード日誌はどうやって作ればいいですか?
スプレッドシートを開き、上の8つの列を作って、次のトレードの前に最初の行を記入してください。準備はそれで全部です。見出しを入力したくなければ、上のテンプレートが同じものです。
すべてのトレードのスクリーンショットを撮るべきですか?
最初は必要ありません。日誌が2週目で途絶える一番よくある原因がスクリーンショットです。30秒で済む作業が、5分の作業になってしまうからです。習慣がしっかり定着したら、「いいえ」をつけたトレードにだけスクリーンショットを追加してください。見返す価値があるのは、そういうトレードだからです。
Excel、アプリ、ノートのどれがいいですか?
1か月後もまだ使っているものなら、どれでも構いません。紙は習慣づけでは勝ちますが、並べ替えでは負けます。とはいえ、それが問題になるのは並べ替えられるだけの行数がたまってからです。紙で始めて、30トレードを過ぎたらスプレッドシートに移るのは、まったく問題のないやり方です。
効果が出るまでどのくらいかかりますか?
規律への効果はすぐに現れます。クリックする前に「エントリー理由」を書くことで、そもそも起こらなくなるトレードがあるからです。パターンを見つけるには30〜50行が必要です。私の場合、行動に移せるものが出てくるまでに2か月ほどかかりました。そして出てきたものは、私の1週間を変えました。
要点
8つの列。理由はクリックの前に書き、あとから書かない。「はい」か「いいえ」を正直につける。週に1回読み返し、月に1回数える。
日誌は事務作業ではありません。自分のトレードを、自分の記憶以外のものが記述してくれる唯一の場所です。そして記憶はあなたの味方ですが、その味方の仕方は、あなたの役に立つものではありません。